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和楽器バンド初のNY公演から見る、世界の日本人アーティストたち

和楽器バンド初のNY公演から見る、世界の日本人アーティストたち

インターネットが普及し、YouTubeが広まった2000年代後期からの音楽業界は大きく変容している。
YouTubeの普及から、CDが売れなくなった事がよく問題にされているが、そう悪いことばかりでもない。気軽に様々なアーティストの音楽に触れられるようになり、国や世代やジャンルを越えて、多様な音楽を聴くリスナーも増えているのだ。
その影響を受けて、ワーナーがきゃりーぱみゅぱみゅ、トイズファクトリーがBABYMETAL、ランティスをはじめとするアニソン関係など、各社がこぞって世界の市場にアーティストを売り出し始めている。2010年代は夢のある時代でもあるといえるかもしれない。

和楽器バンド初のNY公演から見る世界の日本人アーティストたち

そんな中で、エイベックスの虎の子として2014年にデビューしたのが、和楽器バンドだ。尺八・筝・三味線・和太鼓の和楽器に、ギター・ベース・ドラムの洋楽器を加え、詩吟の師範がボーカルを担当するという編成の彼らは、各動画サイトで、数々のVOCALOID楽曲をカヴァーしたMVが数百万再生を稼ぐなどデビュー前から人気を集め、YouTubeにアップロードされた「千本桜」MVの再生回数は3800万を突破した。フランスで開催されている「JAPAN EXPO」等の海外のジャパンカルチャーイベントに出演し、台湾公演を皮切りに海外での単独公演も着実に成功させていっている。
海外でのニッチな人気のみが売りなのかと問われるとそれは否、2015年9月に発売した2ndアルバム『八奏絵巻』はオリコン週間ランキング初登場1位を獲得し、同年の第57回「輝く! 日本レコード大賞」では 企画賞を受賞した。

さて、きゃりーぱみゅぱみゅしかり、BABYMETALしかり、和楽器バンドしかり、2000年後期以降の日本人アーティストの海外進出には、ある傾向がある。
往年のビッグアーティストが満を持して海外進出するのではなく、新進気鋭のアーティストが未だかつてないビジュアルと音楽に付帯して広まっていく、という傾向だ。
和楽器バンドは和服をまとい和楽器を演奏するという、未だかつてないビジュアルと音楽を付帯している事が魅力だろう。

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